ユーザー訪問⑨: ハウゼコ社長・神戸が聞く!
エコロジーとサスティナブルに取り組む「株式会社
如月建設」様が通気立平デネブエアルーフを採用。


まず如月建設さんのコンセプト、エコロジーレーベルへの思い、サスティナブルへの取り組み
神戸:正司社長、本日はよろしくお願いいたします。まず、御社のコンセプトである「エコロジーレーベル、サスティナブルへの取り組み」についてお話をお聞かせください。
正司社長:はい、今、様々なコストが高騰していて、どうしても家が高額になってしまいます。ですので、3世代は住める家にしないとなりません。家を長寿命にできれば、解体時の廃棄物も少なくすみます。また、耐震性能や温熱性能がしっかりした家にしておけば、「お父さんの建てた家、地震も心配だし、寒いよね…建て直そうかな」とならないで住み続けられると思うんです。壊さないで住み続ける家・リノベーションで変化に対応する家、できるだけ再利用ができる家、そういうことがエコロジーで、またサスティナブルな家づくりだと思っています。
神戸:なるほど!私は今年、カナダのバンクーバーへ行ってきたんですが、冬は雨が多く、湿度も高いところなんです。日本と季節感は違いますが建物にとっては同じような条件です。日本で言えば、北陸型です。でも、バンクーバーでは百年を経た家が高額で取引されているんですよ。
正司社長:そうなんですか!築百年で、しかもその家が高額で…日本だと「百年住宅」というと、もう特別感がいっぱいですごいなあ、ってイメージですよね。
神戸:そうですね、でも、これからは日本でも耐震設計や高気密高断熱で・防水・結露防止などにも配慮した耐久設計をきちんと行えば「百年住宅」も普通のことになっていくんではないでしょうか。
カナダのリーキーコンドクライシスと工事中の雨水
神戸:カナダではブリティッシュコロンビア州沿岸部で、1980-2000 年、「リーキーコンドクライシス」という大規模な雨漏り欠陥住宅事件が起きました。ブリティッシュコロンビア州だけで4400 億円の被害でした。この事件をきっかけにビルディングエンベロープエンジニアという資格ができ、建築外皮部門の法体系が整備されました。それで建材内の含水と工事中の雨水をきちんと考えていこうということに進んで行ったんです。中でもやはり、工事中の雨水は問題だということです。
ヘルマン・カウフマン氏から聞いた言葉、それは、「工事中に濡らさないことだ!」
正司社長:それで、今、お聞きした雨水の件ですが、あるセミナーでオーストリアの木造建築家として有名なヘルマン・カウフマンさんに直接、質問をさせていただく機会に恵まれ、「木造にとって一番大事なものは何ですか?」とお聞きしたら、「工事中に濡らさないことだ、それに尽きます!」という答えをいただきました。工事中に建物を濡らさないことが本当に大事だと知りました。
DAR /デネブエアルーフを採用いただいた思い
神戸:弊社のDAR(通気立平デネブエアルーフ)を今回採用いただきました。多様な視点からエコロジー、サスティナビリティの家づくりをされている正司社長ですが、なぜ、DAR を選んでいただいたのか、そこのところの思いをお聞かせいただけませでしょうか。
正司社長:まず、カタログにもある試験、「野地合板の含水率を低く保つ」というその結果に注目しました。金属屋根、特に立平のハゼ葺は防水性能がいいのは知っていましたが、同時に、軒先の毛細管現象による水の吸い上げや、ハゼのキャップ部分などのピンホールなどから漏水した場合、その水をずっと閉じ込めたままになってしまいます。

神戸:でもデネブエアルーフだと通気リブのところに空間があるし、透湿ルーフィングとの組み合わせだから…

正司社長:そうですよね!透湿ルーフィングは野地上面の水分を空間に通過させるので乾いてしまうんですよね!それは本当にすごいことだと思います。

誰でも確実に施工できるDAR /デネブエアルーフ
正司社長:それともう一つすごいのは軒先の曲げ部分だと思います。職人さんは、唐草のところの掴み具合、曲げ具合にこだわりを持っています。毛細管現象で水が這い上がるのを職人の感覚で防ごうとしていますが…
神戸:でも熟達の職人さんがいなくなってきた!
正司社長:そうなんです。元はカラーベストを施工していた屋根屋さんも、最近非常に多くなった金属屋根の状況で板金工事をするようになったケースが多くなってきています。だからこれまでの熟達した板金屋さんレベルの屋根仕事ばかりではなくなっていることもあると聞きます。
そこで、デネブエアルーフは通気リブがあるので誰が掴んで曲げても屋根葺き材と下葺き材やを密着させすぎたりせずに、毛細管現象による水の這い上がりを防げるんです。この誰にでも同じようにきちんと施工できるというのはとても素晴らしいことだと思います。


神戸:軒先の掴み具合ですが、地域性がありまして、強風地域なのか、多雪地域なのか、一般の地域なのか…によって考え方が違うんです。
それと軒先部分の「唐草とルーフィングの上下関係」ですが、普通はルーフィングが上で、唐草が下、水を勾配下へ流し去るという考えでそうします。しかし板金屋さんによっては、唐草が上で
ルーフィングが下という手法もあります。これは毛細管現象による雨水の吸い上がりを防ごうという考えからなんです。
これは考え方の違いで論議になると言う永遠のテーマなんです。
DARだとこの両者の手法に対しても通気リブが創る十分な隙間により、水の流下、毛細管現象の防止共に安全な軒先が実現できそうです。誰にでも確実な軒先施工ができるのがいい、というご意
見にDARのストロングポイントだと改めて認識しました。
DAR /デネブエアルーフには透湿ルーフィングを、でも、アスファルトルーフィングが!
正司社長:実はDAR の施工についてあえてお伝えしておきたい話があります。
私たちが初めてDAR を採用させていただいた時のことですが、現場に行くと職人さんが「アスファルトルーフィング」を敷き込んでいたんですね。いつも普通に「アスファルトルーフィング」を使っているのでなんの疑問も持たなかったということでした。もちろん、「透湿ルーフィング」に敷き込み直しましたが…
神戸:その話ですが、同じような話を聞いたことがあります。職人さんから「なぜ透湿ルーフィングなんだ?」という質問をいただくこともあります。
うーん…我々が周知徹底の努力をもっとしないといけないと言うことです。
善処していきますので、指摘いただいてありがとうございました。

対談を終えて
神戸:正司社長は現役の大工さんです。そして非常に勉強熱心でおられます。現場での実務や納まりに加えて、温熱設計や外皮設計にも努力しておられます。また耐久性に対しては「住宅外皮マイスター」資格の重要性への理解もお持ちです。そして、職人さんこそがもっと耐久性の正しい知識を持って欲しいので「住宅外皮マイスター」の資格を取るべきだし、もちろんご自身も今年、受験しますよ、とおっしゃっていました。