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ユーザー訪問⑩: ハウゼコ社長・神戸が聞く!

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こだわりの家づくり「縁 創建工房」様が
標準仕様に選んだのは通気立平デネブエアルーフ。

対談の様子
縁 創建工房会社情報

以前にこんなお話をお伺いしていました

神戸:木の素材感があるとても美しい和風テイストのこだわりのある家をお造りになっておられ、住宅建築情報誌などでもたびたび取り上げられておられる縁 創建工房さんです。

松藤社長:弊社は耐久性に優れた住宅に取り組んで10年くらいになります。私は元大工ということもあり、どうしても曲げたくない仕様でやってみたいと、チャレンジを始めたんです。
維持管理等級の面も考慮して、外壁はスーパー白洲そとん壁、断熱材はサーモウールと自然素材を使っています。屋根の防水には早くから透湿ルーフィングを使い、サイディング、ビニールクロスは使用しません。「呼吸をする家」がコンセプトなんです。壁下地のバラ板も通気層の胴縁もひのき材です。

神戸:すごいこだわりですね!透湿ルーフィングはそれほど普及していないですよね。そして壁下地のバラ板や通気胴縁までひのき材ですか!隠れてしまうところなのに…

松藤社長:屋根は切妻で軒出が900 ミリ、屋根通気層も60ミリを確保しています。他社製ですが棟換気役物や軒天ガラリをつけていますし、これでいいだろうと思っていたのですが…

ところが「雨漏り」?…衝撃的なお話でした!

松藤社長:ところが、ある日、お引渡し後半年の家で、勾配天井のダウンライトからポタポタと水が落ちていると「雨漏り」の連絡がありました。
ガルバリウム鋼板立平仕様で、「漏れるわけがないだろう」と考えていたので、奥様に「加湿器をたくさんご使用になっていませんか?」と言ってしまいました。室内側で発生する水が原因で結露したんだと考えたんです。

しかし、屋根の通気不良が原因の「結露」事故だったと言うことでした!

松藤社長:原因究明のために「屋根を全部はがさせてください」とお施主様にお伝えし、ガルバリウム鋼板をめくると透湿ルーフィングが茶色と白のしましまになっていました。
「嘘だろ、これ?…」棟換気部材がないところは透湿ルーフィングが茶色になり、通気していないところが結露を起こして変色してしまっていたんですね。垂木間の横方向の通気が十分で
はなかったんですね。(事故写真1、2)

神戸:この写真、こんなにはっきりとしま模様になって…いや、結露事故は恐ろしいですね。
でも…あれ?軒先も変色していますよ?(事故写真3)
これは…そうですね、ガルバリウム鋼板の屋根の裏側で水が毛細管現象によって吸い上がってきた現象ですね。よく見ますよ。

松藤社長:そうですか、今後もよろしくアドバイスをお願いできれば助かります。
それで、この家ではその後、垂木にスリットを入れ、横方向の通気をとることで、結露はピタッと止まりましたが、結露の恐ろしさを知りました。意識の高い家づくりをしているつもりがこの結果で、愕然としました。これをきっかけに通気を本気で考えるようになり、ハウゼコさんの製品を積極的に使うようになりました。これがハウゼコさんとの出会いなんです。

神戸:今日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。

(ここまでは2019年7月の対談です)

ルーフィングの変色
野地合板の腐朽
雨水による軒先の変色
DAR施工中写真
DAR施工中写真
DAR施工中写真
縁 創建工房様 DAR施工中写真

2024年10月、今回、デネブエアルーフのご採用に至る経緯をお伺いいたしました

神戸:今回は弊社のデネブエアルーフ(以下DAR)を採用いただいきましてありがとうございます。では、松藤社長がどのように採用に至ったかを、お話をお聞きしたいと思います。

松藤社長:弊社ではもう10年以上以前から「通気」についてこだわって家づくりを進めてきました。透湿ルーフィングは、もう10年以上前から採用していました。ですのでDARのことは興味を持って観ていたんですね。
ですが、当初はコストがなかなか折り合わず、採用に踏み切れませんでした。

神戸:通気にこだわられて…と言うことですが、他の通気工法を考えられなかったんでしょうか?

松藤社長:立平と野地合板の間に敷き込む網状体による通気工法を思案したことがあります。
しかし、まず、網状体の施工にかなり手がかかることや網状体自体のコストもかかります。また唐草などの板金部材も網状体によって厚みが増す分、特注部材になったり、加工が必要になったります。手間もコストもかなり大きくなりますので、採用に至りませんでした。

網状体(立体網状構造体)
部材に網状体で増えた厚みを加えないとなりません、と、松藤社長

ハウゼコではDARの納期、品質・コスト、商流について改善に力を入れました

神戸:コストの問題を解決するために、私たちハウゼコは生産拠点の拡充を図り、流通経路の整理に力を入れてきました。それで、現在、納期、コストが改善できたと思いますが。いかがでしょうか?

松藤社長:はい、そう思います。今回、採用にあたって見積もりを取ってみたら、これまで当社でやってきた通常のガルバリウム鋼板立平とほぼ変わらないコストでした。そもそもDARのコストが改善されていたこと、透湿ルーフィングはすでに使用していたこと、施工は通常の立平と何ら変わらないこと…そうなれば、使わない手はないな、と、即、採用と決めました。
現在3件のDAR採用現場が施工中です。

DARを標準仕様に!

松藤社長:そうして当社ではDARを全棟採用の標準仕様としました。以前、立平と野地合板との間の通気不良が原因で苦い経験をしました。(前回対談にある通りです)立平とアスファルトルーフィング、野地合板とが密着してしまうとどうしても水分が排出できずに事故の原因となります。日本では雨が多く、細心の注意で雨に対する養生を行いますが、「絶対」ではありません。でも、DARは通気リブがこれらの部材が密着することを防いでくれます。もうこれは標準仕様であるべきだと思いました。

神戸:そうですね!注意すべきは「建築中の水濡れ」です。DARはその点でも安心をもたらしてくれます。あと、もうひとつ、「意匠性」についてはいかがでしたか?

松藤社長:実は通気リブがあることで、葺き上がりはどんな感じになるんだろう?と思っていましたが、立体感があり、なかなかいいです。

神戸:ああ、そうですか!それは嬉しい言葉をいただきました。最近はDARを「意匠性」から選んでいただくことも増えています。
今日は色々お聞かせいただき本当にありがとうございました。正直言って、松藤社長とお話することで私も大変な勉強になります。これからもよろしくお願いいたします。