ユーザー訪問③: ハウゼコ社長・神戸が聞く!
ユーザー訪問: ハウゼコ社長・神戸が聞く! -3
塗装と雨漏り修理の専門工事業としてのプライドを「第一浜名建装」さんから感じました!
神戸:本日は静岡の専門工事業・有限会社 第一浜名建装の久保田社長にお話をお伺い致します。
御社は「雨漏り修理のプロ」ということで、現場はもちろん、住宅建築雑誌への寄稿や講演など
実に活発にご活躍されておられますが、専門工事業という分類なんですね?まず、この辺から
お聞きしたいと思います。
久保田社長:よろしくお願い致します。うちはあくまでも「修理」を業としています。
雨漏りの原因について、屋根面や外壁面などの外皮の上からのみ行う工事などを「補修」
として捉えるのに対し、「修理」はあくまでも根本的な原因箇所やその周辺の劣化や腐朽など
の二次被害についても直接的に手を掛けるものであり、雨漏りの根本的な原因を解消すること
だと考えていますので、この工事を行う、これが専門工事業だと自負しています。
神戸:よくわかります。修理は 理にかなったように修める …そんな言葉を思いだしましたが
御社にぴったりの表現です。
では、久保田社長、どのような経緯で「雨漏り修理の専門工事業」を営まれるようになったのですか?
久保田社長:もともと両親が町の塗装屋さんを営んでいました。私は写真関連の仕事をしていたんで
すが、事情があって実家に戻り、何も経験のないままに塗装業に入りました。
神戸:そうですか、全く畑違いの世界から建築関連の世界へ…
久保田社長:それで、その当時、塗装屋として仕事をもらっていた工務店が非常に高い確率で
「雨漏り事故」を起こされるんですね(笑)。ある現場に入った時、やはり「雨漏り事故」があった
ようで現場監督さんたちが ああでもない・こうでもない と話をしていました。そのときに知識も
経験もない私が…何も知らないっていうことはある意味強いんですね…「あそこから漏れているので
は?」なんて、ただただ漠然と上から雨が入ってくればというような、何の深い考えもなく指差した
わけです。それがたまたま当たってしまいまして…
で、そのことに勢いづいて、今、専門工事業者として仕事をしているということです。27〜8年前の
ことですね。その後、その工務店から雨漏り修理の依頼が増え続けました。ところが2000年頃の
業者会で「あいつのところに安全協力費を全部持っていかれるんだ」と名指しで言われたのです。
うちが雨漏りの原因をつくっているわけではないぞ! ということで、その工務店とは決別、独自
の別の道を探すことになります。
神戸:では会社の売り上げが下がったのではないですか? 大丈夫でしたか?
久保田社長:ええ、当然のように売り上げが減りました。それで他の建設会社を当たるも、雨漏り
にそれほどの意識もなく、対価を払うところもあません。では、塗装工事は?となっても「他社よ
り安く」だけしか求められませんでした。やるせない気持ちから、そもそも建物を、「修理」する
っていうことはこういうことだろ?という心の中の思いの丈をぶつけるつもりでホームページを
立ち上げ、とにかくいっぱい書いていました。
神戸:そうですか、だから久保田社長は住宅建築情報誌なんかでも文章を巧みに書かれるんですね。
で、その頃…つまり2000年頃、ホームページはまだそれほど多くはなかったですよね?
久保田社長:そうです。だから当時「雨漏り」って検索すると、1ページ目に私のHPが出てくるわけ
です。これと同時期、雨漏り相談の無料相談掲示板を運営する人とネット上で出会いまして、この方
は雨漏りに悩む方々の手助けをしたいという正義感で無料掲示板を運営していたのですが、やり取り
の中で意気投合し、私も掲示板で雨漏り相談に回答するようになったのです。しかし大変多くの雨漏
り相談があり、夢中でそれに回答していながらも、もともと建築の基礎をきちんと勉強したわけでは
ないので、いろいろな業種の職人の仕事を見ながら思う現場の感覚や、単純に思う重力などの物理的
な力ぐらいしか回答の根拠がなく、回答しながらも随分と悩みました。
そんなある日、たまたま書店の建築専門書コーナーを見ていた時に目に飛び込んできたのが石川先生
の「雨仕舞のしくみ」だったのです。
この本を手に取り最初のページを読んだところで「教科書に出会った」と思ったのでした。
後に石川先生とも直接お会いする機会に恵まれ、今日に至るわけです。
神戸:久保田社長の現在までがよくわかりました。それでは次にいよいよハウゼコとの出会いをお聞
きしたいと思います。
久保田社長:たしか2012年のジャパンホームショーのハウゼコさんの展示ブースで製品モックアッ
プが並べられていて、それについて担当の方に質問していたら神戸社長がすぐに出てこられて…
神戸:いや、聞こえてくる話があまりに詳しいから同業者の方だと思ったんですよ!で、こりゃ私が
対応しなきゃな、と思って急いで出て行きました。
「ここは弱点にはならないんでしょうか?」…そういう話し方ですがポイントをついておられたので
よく覚えています。正直、ちょっと「やばい」お客様だとおもったんですよ(笑)。
久保田社長:その頃、神戸社長は一般社団法人「住まいと屋根換気壁通気研究会」発足の前で、そう
いうことを(社団法人設立を)考えているからあなたも来てくれますね…となったわけです。話して
いるうちに神戸社長から石川先生のお名前も出てきましたし…で、今に至るわけです。
神戸:ところで、それまで他の部材メーカーとのおつきあいはなかったんですか?
久保田社長:他社のものを工夫して使っていましたが、製品安定性に不安があったり、施工性に満足
できなかったりで使い勝手がどうも…ということがありました。
神戸:ハウゼコ製品との最初の出会いはどうでしたか?
久保田社長:ハウゼコさんの営業の方が静岡まで来てくれて話をしたのですが、商流も問題がないこ
ともわかり使用が始まりました。笠木周りにアンタレスを使いました。ハウゼコさんの印象ですが、
やはり細かい対応がいいですね。特注品対応が必要になることが多々ありますが、細かい寸歩などに
シビアに対応いただけて、そこが心強いですね。
神戸:そうですか、ありがとうございます!
久保田社長にはAHPCⅡ(アンタレス・ホールレス・パラペットキャップⅡ)の開発にも携わって
いただきました。
ハウゼコの開発サイドと久保田社長の現場サイドがPDCAを組んで取り組んだ製品開発のケース
なんです。おかげさまでいい製品ができたと思っています。
※AHPCⅡについては5、25〜28、31Pにをご覧ください。
本日はお忙しい身でおられるのにお時間いただきまして感謝致します。たのしいインタビューでした。