社長コラム
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関西サイディングニュース9月号コラムをアップデートしました。

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今日つれづれ
神戸 睦史(ハウゼコ)

 7月5日、明治日本の産業革命遺産23箇所が世界遺産に登録された。日本は、西欧諸国以外で唯一産業革命を成功させ、唯一西欧諸国(ロシア)に勝った国だ。(代理戦争を除く)最も古い登録遺産の1つの鹿児島の集成館は、明治維新の14年前の1851年に、アヘン戦争(1842年)でヴゅ動くがイギリスに植民地化される様子を見た薩摩藩主島津斉彬が、欧米列強からの日本の植民地化を防ぐ為に、製鉄・大砲鋳造・造船等の為に作った日本初の工業コンビナートだ。ここで作られた大砲が、1862年に起きた生麦事件を発端とした1863年の薩英戦争で活躍することとなる。
 薩英戦争でイギリス艦隊を撃退した薩摩は、世界で衝撃をもって受け止められた。怒ったイギリスは、日本の海上封鎖を検討したが、(当時の日本の大砲の射程距離は短く、イギリスの軍艦に届かなかった)薩摩郡の勇敢さとその後の巧みな交渉術から講和を結び、英国と薩摩の交流が進むきっかけとなる。この薩英戦争ではじめて実戦で使われたのが、最新鋭のアームストロング砲だ。
しかし不具合が露呈し、イギリスが禁輸出処置を解除した。(欠陥が誇張されて報告されたという説がある。)それがアメリカの南北戦争に輸出され、1865年の南北戦争終了後グラバーらの手によって日本に輸入され、1868年の明治維新前後の戦闘に大きな影響を与えた。第二の故郷の鹿児島が果たした、日本の近代国家への大きな役割を今回の件で再認識した。