社長コラム
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西日本サイディングニュース9月号掲載

社長コラム

在任最長記録を持つ安倍元首相の国葬が、去る9月27日に執り行われた。決断を迫られることばかりの7年間、官邸で苦楽を共にした菅さんの弔辞は、胸に迫るものがあった。

民主党の野田政権が消費税増税をきっかけとして総選挙に敗北。その後を受けて第二次安倍内閣がスタートしたのが2012年。当時の円は、なんと85円!日経平均が1万円‼民主党政権下の3年間で、トヨタは合計1兆6千億円の赤字を出した。工場は海外に移転し、空洞化が進み、失業率は4%。前年の東日本大震災の影響で電力不足。と厳しい船出だった。在任期間に、野田首相が決めた消費税8%、安倍首相自ら決めた消費税10%。と2回の増税を行い、日銀の量的緩和政策により、株安と円高の是正を行った。

それまでは、毎年首相が代わっていたので、国際舞台でも無名で注目もされなかったが、安倍首相の時は、各国首相がトランプ大統領やプーチン大統領へのパイプ役として頼る等、久しぶりに存在感のある日本の首相として活躍した。葬儀の場にオーストラリアやインドの首相、フランスやイギリスの全首相などが参列し、それぞれが思い出を語っていた場面からも、国から敬意をはらわれ、愛されていた証だろう。

統一教会の問題はとても大きな闇だと思うが、国葬でこれだけの反対運動が起こっている国は見たことが無い。との外国人のコメントを聞くと恥ずかしくなる。岸田首相の説明不足の責任は非常に大きいが、いったん国葬を行い外国から多くのVIPが来日すると決まった以上は、遠路はるばるお越し頂く方々へのおもてなしや弔問外交に集中するのは当然のことだと思う。

瘍性大腸炎を抱えながら激務に耐え、孤独と闘いながらより良い日本のために奮闘するも、非業の最期を遂げた無念に合掌したいと思う。