社長コラム
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西日本サイディングニュース3月号掲載

社長コラム

 先月、株価が3万円を超し、バブル崩壊以降最高値を記録した。にもかかわらず、20年度のGDPはマイナス4.6%。サービス業は、人の往来が無くなり青息吐息。

大阪の繁華街も空き家ばかりが目立ち、私の周辺も景気のよい話は全くない。実感を伴わない株価だ。

今回の株高は、コロナ禍対策の金融緩和(日銀による国債買い入れ等)による、主に公的機関(日銀・年金等)と外国人買いがその主因なので、実感がないのだ。

1990年の東証株式保有は、金融機関40%個人20%外国人5%公的機関4%。2019年は、外国人30%金融機関20%個人15%公的機関12%と、外国人と公的機関が激増している。

時価総額730兆円のうち、日銀と年金の株式保有額が各45兆円、合計90兆円にのぼる。

年金は2006年GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)設立までは、主に債券等の財投資金、安全資産で運用されていたのだが、このままでは2055年に年金資産が枯渇するということで、株式運用を始めた。

金がなくなるから、無くなる前にリスクを取ってでも起死回生をはかれとでも言わんばかりの作戦だ!

ちなみに、世界一の運用額で金融先進国であるアメリカの公務員の年金運用は、安全資産である債券で運用されている。No2がGPIFだ。

実は、GPIFも2006年までは株式運用0。2014年までは、株式運用が25%だったのだが現在は50%。日銀が株式購入を開始したのは2010年で、現在は45兆円。上場企業の筆頭株主第一位だ。

これでは景気が良いからではなく、我々の金をじゃぶじゃぶつぎ込んで作った官製景気なので実感を伴わない訳だ。

もし、第2のリーマンショックが来れば、リスクを取った運用計画は裏目となり、2055年に無くなる試算が前倒しになる。私は88歳なので、逃げ切れそうにないかな・・・