社長コラム
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関西サイディングニュース9月号コラムをアップデートしました

社長コラム

9月4日(火)14時、台風21号が神戸に上陸した。中心気圧915hpa、第2室戸台風の925hpaを下回った。公式記録では和歌山市で最大瞬間風速57m、大阪市内では、ビル風で約80mの風速を記録した。タワーマンション下の住宅の瓦が、一瞬で丸裸になっていた。関西空港では、8000人(内職員2,000人)が孤立、翌日救出された。

最大瞬間風速は、全国927の観測点のうち、近畿で33、北海道で22、東海で21、北陸で12など、合計100の観測点で観測史上最大値を観測。風速20-40mで設計されている電柱は、約800本倒壊。約224万戸が停電し、5日後の9日(日)の時点でも、停電戸数は約3万戸。

この台風では、「危険半円」と呼ばれる台風の進行方向右側(東側)で暴風になった。一般に台風の進行方向右側では、台風に吹き込む反時計回りの風と台風自身の進行速度により、左側よりも風が強くなる。大阪和歌山の被害が大きくなった原因だ。大阪市港区では、マンション8階に飛来したスレート材が窓ガラスを突き破り、破片が当たった1人が死亡した。

最大潮位、基準面(干潮)から測った海面の高さは、大阪市で約3,3m(最大干満差1,9m)を観測し、140年に1回の潮位。第2室戸台風時の過去最高潮位2,9mを更新した。大阪湾では、湾奥ほど最大潮位が上昇、この高潮は、気圧低下に伴う吸い上げ効果と強い南風による吹き寄せ効果によりもたらされた。

私は、平成3年、住宅メーカーに就職し、最初の赴任地鹿児島で猛烈な台風の洗礼をうけた。損保会社史上最大の被害額5600億を記録した平成3年の台風19号だが、今回の台風は、体感的には、それに匹敵するものだった。

その当時、一番保険金の払いっぷりが良かったのが共済だったが、今回も共済の支払は良いようだ。

今年、大阪の梅田の地価を、難波が初めて追い越した。高島屋の難波店は、全国の高島屋の中で売上げが一番になった。宿泊料金も急上昇した。しかし、関空が止まって以来、ミナミの街は、閑古鳥が鳴くようになった。高島屋も街もガラガラ、ショップ店員は手持無沙汰で、外に出て力なく呼び込みをしている。ミナミの街は、以前の落ちつきを取り戻したが、商売人の心の中は、落ちついている場合ではなかった。