社長コラム
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関西サイディングニュース7月号コラムをアップデートしました。

社長コラム

大河ドラマ『西郷どん』が面白い。幕末の動乱期の生々しさが伝わってくる。幕末物は史実先行で、登場人物の普段の生活を描く部分は少なかったように思う。そこを、細かく描いているところが面白い。今回のドラマ制作にあたって、かなり時代考証に力を入れたようだが、史実と違う部分も指摘されている。例えば、西郷が奄美大島や徳之島(後に沖永良部島へ移送)に島流しにあった時に、ドラマでは、島民の味方のように描かれているが、不平士族への対策として、奄美大島のサトウキビの権益を充てる案を出している。そのような現実主義者の側面もあったようだ。

討幕派・佐幕派・公武合体派・開国派・尊王攘夷派等々、維新前のカオスの状況を、このドラマはよく描き出している。情報を手に入れるには大きな労力が必要だった時代、琉球を通じて、アヘンで中国が実質植民地化されていた情報を得ていた薩摩は、次は日本の番だと危機感を募らせていた。日本全体を攘夷派が席巻していた中、薩英戦争でイギリスと日本の圧倒的な軍事力の差を知り、開国派に転向し、同じく開国派に転向した長州藩と薩長同盟を組み、日本の運命を決めることとなる。

幕府のバックにはフランスが、薩長のバックにはイギリスがつき、本格的な内戦になった暁には、日本もほかの東南アジア諸国と同じく、欧米列強の植民地になっていた可能性が高かったが、江戸城無血開城によって植民地化は逃れることとなる。当事者たちが、時代の大波に翻弄されつつも、必死になって何が正しい道なのか考え抜くさまは、不確実性の高い現代を生き抜くためのヒントがたくさんあるように思う。