西日本サイディングニュース9月号掲載
自民党と立憲民主党の党首選挙が面白い。今まで、これだけ開かれた議論がなされたことはないと思う。派閥解消の賜物だ。これまでは、 最大派閥のリーダーか、 そのリーダーが推す議員が総理になってきた。今回は、石破さんも高市さんも非主流派だ。最大派閥からも推薦されていない。という意味では超異例だ。政策論議が主体の総裁選にこれからもなっていくだろう。
そのような群雄割拠の党首選で、 立憲民主党は野田さんに決まった。 立憲民主党のなかでは一番現実的で、 人間性も含めて愚直な性格は個人的にとても好感がもてるが、 政策論議は自民党ほど盛り上がらない印象だ。
その点、自民党は論客ぞろいで、テレビでの公開討論会は実に面白い。ベテランの政策通が多くなるほどと膝を打つ機会も多い。政策自体の議論も面白いが、どのようにその政策を実行するのかという具体策は勉強になる。
いくら良い政策を思いついたとしても、どのように実行するかを明確に示せないと絵に描いた餅になるということだ。 そういった意味では、小泉さんや上川さんは、ほかの候補に比べると経験不足が否めない。小泉前首相が、少し早いと言ったのも頷ける。その結果、当初想定されていた石破さんと小泉さんの一騎打ちの様相から、高市さんも加わっての3つ巴の様相だ。ディベート力で小泉さんが支持を減らし、高市さんが支持を増やした。個々の政策にいろいろと言いたいことはあるが、まずはキングメーカーが裏で操る構図の割合が少なくなったことは歓迎したい。