西日本サイディングニュース4月号掲載
先日、ヨドコウさんの70周年記念と社名変更(淀川製鋼所からヨドコウへ変更) を記念したヨドコウ会で、ドバイに連れて行ってもらった。5泊6日と長期間だし、どちらかと言えば東南アジアが好きな私にとっては、 あまり気が進まない行事だった。
11時間のフライトで、体の節々が痛む中降り立ったドバイ国際空港は、日本のバブル時代を彷彿させるぎんぎらぎんの世界だった。乗降客数で世界2位の約6 000万人。こんな砂漠の中の空港にどうしてこれだけの人が集まってくるのか不思議に思った。
入国早々、面食らったドバイだが、世界最大規模の湾港ジュベル・アリ港や、高さ828メートルに達する世界一の高層建築物ブルジュ・ハリファなど、とにかく世界一が多い。そして、ドバイが人を惹きつける魅力の一つがタックスヘイブン。所得税・住民税・贈与税・相続税等がほぼ無料。法人税は9%だが、経済特区では無税。
なるほど、だから世界中から人が集まってくるのだ。ドバイ人は約1割。初任給は約100万円。 所得税等がないので可処分所得は高い。一戸建ての住戸が国から支給され、医療費・教育費は無料。このように目覚ましい発展を遂げているドバイだが、約60年前に石油が見つかるまでは真珠の養殖で生計を立てる漁村だったとのこと。
産油国となり景色の変わったドバイは、世界有数の産油量を誇るアラブ首長国連邦(UAE)の7つの 首長国のうちの1つ。しかし UAEにおける産油量の約8割はアブダビが占めており、ドバイの産油量は実は多くない。将来、油に頼れないことを想定し、知恵で発展してきたということだ。あまり気が進まなかったドバイはとても刺激的で魅力のある国だと感じた。日本へ帰国する頃には、移住するのもいいなあと思えるようになっていた。