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屋根面換気部材とは

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「屋根面換気部材とは」

 

高気密高断熱住宅の普及に伴い、住まいの内部空間に仕切を極力設けない開放的なプランニングが多くなってきています。断熱技術の発達に伴い、リビングを吹き抜けにし、天井面を勾配天井にすることによって大空間を生み出す事ができるようになってきました。また、2階あるいは3階の天井面を勾配天井としたり、空間の有効利用のために小屋裏収納を設けることが多くなていますが、それに伴って通気阻害が起こる可能性が高くなっています。勾配天井とする場合、天井断熱ではなく、自ずと屋根断熱あるいはそれに近い断熱形態となりますが、屋根断熱では通気層の確保が耐久性にとって重要なポイントとなります。

                       

■開放感のある勾配天井

 

住宅金融支援機構のホームページで耐久性基準を調べると、「屋根断熱工法の場合は小屋裏換気孔を設置してはいけません」と記載されています。屋根断熱工法を採用した際には、一般に言う「小屋裏」は室内の一部となり、小屋裏換気孔を設けると気密断熱ラインが切れてしまうからです。

しかし屋根下地となる野地板や垂木から見た時に断熱材に覆われて通気層に接する面積が少ない場合、そこに浸入した水分・湿気の逃げ道が無くなり、滞留し、屋根の下地の劣化を速めてしまう可能性があります。

■結露事故により腐食した野地合板

 

断熱層内側の高気密化は断熱性能上必要ですが、そこに隣接する木造躯体部分の外側の通気・換気については別途考慮が必要です。まずは建築期間中の雨がかりを極力防ぎ、竣工後も水分の侵入や結露を極力防ぎ、そして浸入した水分や湿気を乾燥又は外部へ排出するルートを確保しなければなりません。

実際の建築現場環境や住まい手の暮らし方によって限度がありますので、完全に水分を取り除いた状況で建築し生活することは困難ですが、その状況から躯体の劣化に至らせないためには、通気・換気が最後の砦となります。

通気層を確保したら、空気の流れを作るためにその小屋裏空間で最も高い位置にある棟部分に換気棟を設置することで排気させることが一般的です。

一方で棟の長さが限られ換気棟を設置することが困難な場合には、屋根面から排気する換気部材が用いられることがあります。屋根材の種類によって用いられる換気部材にはいくつも種類があります。

方形屋根や寄棟屋根の棟長が短い場合などによりスペースがとれない場合は、屋根面から換気を行う為に換気部材を屋根材の上に露出させて設置する方法があります。この場合、設置位置の自由度が高い反面、外部から換気部材が目立つために建物意匠に影響があることと、雨漏りのリスクが高くなります。

■屋根面換気部材の施工

 

瓦屋根の場合、瓦と野地板の間にある隙間を利用して、そこに納まる換気部材が採用されることもあります。この場合、換気部材が瓦の下に完全に隠れてしまいますので、意匠に影響を及ぼすことがなく、防水性も比較的確保しやすい方法といえます。

■屋根面換気部材

屋根面換気とは異なる方法となりますが、大棟が短い寄棟や方形屋根の場合、大棟がなくとも隅棟はありますので、この隅棟に取り付けられるよう工夫された隅棟換気棟が採用されることもあります。隅棟換気棟の場合、棟包と同様の外観となりますので、意匠に影響することなく雨漏れリスクも下がります。

■隅棟換気部材