トップ > ニュース > ユーザー訪問 > ユーザー訪問: ハウゼコ社長・神戸が聞く! -⑤

ユーザー訪問



 

神戸:日下社長、お忙しい中だと存じますが、よろしくお願いいたします。


2017年、日本エコハウス大賞・審査員特別賞を受賞されましたが、まずそのお話からお聞かせいただけますでしょうか?


日下社長:ああ、それは「小平の家」ですね。


温熱性能を重視すると、建築の大きな魅力である「空間のつながりや広がり、その見せ方」が二番手

になりがちで、温熱と意匠は対局にあると言われるんですが、「小平の家」は 「温熱的に優れた住まいでも 美しさにこだわり暮らしの安全をしなやかな構造体で守る。」ということをテーマに計画したものです。南・東面からの豊富な日射を、大開口から取り込み、夏には、その日射を外付けブラインドとがらり戸で遮蔽します。そうして高輝度な直射日光をリビングに取り込み、その明るい直射日光を反射で個室に光を届けるようにしました。

ひとつ、特徴的なのは、この家にはテレビがないんですよね


神戸:え?テレビがない! 私は情報源としてテレビを積極的に観るんですが…どうしてそうなったんでしょうか?


日下社長:僕はお施主様との打ち合わせの時には、その方の「好きなこと」や「どういう風に暮らしたいか」などを聞くようにしています。お施主様が「テレビのない生活を」と望まれた結果なんですよね。ただ、情報源として壁に画面を投影するプロジェクターは用意してあるのですが、使っているのを見たことはないです(笑)


神戸:「住まい手の想いに寄り添い、納得いく予算で浮かび上がるカタチを磨き上げる」…日下社長のモットーから既成概念に縛られない自由な発想が生まれるんですね!

 

 

神戸:ところで、現在建設中(インタビュー実施時点))の茨木のお家の写真を拝見しましたが、パラペット部分や下屋の取り合い部分などにハウゼコ製品を採用いただいていますね。

日下社長:ええ、これ、いいですよね!(施工写真のパラペット部分、AHPC2とベテルギウスTを指差して)以前はね、名工と言われる板金工さんがいて、「水は入ってくるものだ」を前提にていねいな仕事をしてくれていましたが年齢的な問題もありまして…、それでハウゼコさんに出会ってからは御社の換気部材を使うようにしていましす。それから、現場の職人さんからは「そこまでしなくても?」という声が上がることもありますが、「まあ、とにかく使ってみて!」と説得したりもします。

神戸:腕の良い板金屋さんは雨仕舞いについてしっかりとした知識と技術があると思います。だけど最近の高性能住宅のベーパーバリアなどのロジックをきちんと理解されているかどうか?…となると、それは難しいかもしれません。そのロジックの一番集約されたところがパラペットの部分だと思います。


日下社長:そうですよね、そこに関しては勉強し始めてドキッとなることが多いんですよ!ハウゼコさんのセミナーで「ああ、そうだったのか!」と気づいたりしますから。

 

 


神戸:ご存知だと思いますが、カナダの木造建築物で起こった「リーキー・コンド・クライシス」という社会問題があります。これはポストモダンのデザイン優先の風潮(軒ゼロ・塗り壁・パラペットなど)に、雨仕舞いや通気・換気の技術が追随できていなかったことが原因で起こった建築事故です。また、工事中の雨水浸入も問題でた。この事件をきっかけにカナダの法整備が行われ、ビルディングエンベロープという建築外皮分野の体系化を促したのです。


日下社長:昔の日本はスカスカの家だから水が入っても乾燥してしまい、それでよかったんですね。中途半端な理解で高気密住宅を作っていると、カナダの「リーキー・コンド・クライシス」や、北海道のような「ナミダタケ事件」が関西でも起こるかもしれません。断熱性能は仕様にお金を出せば上がりますが、気密性能はそういう訳にはいきませんからね。だから私も自分から「学び」を実践して、理解を深めるようにしていますが、それでも常に「間違ってはいないか?」と自問し続けているんです。

日本にもカナダのように「耐久性」と言う分野を体系化して全体を底上げするシステムが必要ですよね。


神戸:日本では建築の学校で「木造の耐久性」を教えませんよね。「木造の耐久性」は農学の扱い分野になっています。今後、日本でもCLT(Cross Laminated Timber: 直交集成板) などを使った中大規模の木造建築が増えてくると思いますが、設計界に「木造の耐久性」の理解を深めていかないとダメですよね。また、ビルディングエンベロープは、建物の安全性や耐久性を維持するために大切なものですからこれまでの文化を見直すほどの教育が必要だと思います。

 

 


日下社長:断熱性能や気密性能は数字で表せます。でも、多くの住宅が高性能を謳う現在、数字の競争ではストロングポイントにはなりません。今後はやはり「耐久性」がキーロールになるはずです。時代はこれまで以上に自宅に居ることを求め、それだけに、もっと「家」が楽しく、豊かであるべきです。家族や子育てや教育や、ますます「家」に求められることが増えていく今だから「耐久性」についてもっとみんなで考えなくてはならないと思っています。

耐久性のキーになるビルディングエンベロープ…ほんとにいいお話を聞かせていただいたと思います。神戸社長の耐久性にかける熱意が日本の住宅建築シーンにどんどん広がっていくのではないかな?と思いました。

神戸:「住宅の商売がしたいのではなく、住宅をつくりたい」とおっしゃる日下社長、これからもいっしょに考えていきましょう!

本日はたいへん有意義なお話となったことを感謝いたします。