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[通気×雨仕舞い] いまさら再入門

第1回 バルコニー手摺り壁の雨仕舞い

換気棟のハウゼコ < 新建ハウジング掲載特集記事 1 >

バルコニー手摺り壁の雨仕舞い 雨仕舞いと通気は木造住宅を長持ちさせる基本である。
それでいながら、トラブルが多い箇所でもある。
それは、両者がトレードオフの関係にあるためだ。
雨を躯体内に浸入させないためには隙間や孔はないほうがよい。
一方、通気を確保するためには隙間や孔が必要になる。
もちろん、実際の木造住宅には両者が必要となるので、トレードオフの関係をいかに解消していくかというのが、設計・施工の妙味となる。
この連載では、そうした雨仕舞いと通気がせめぎ合う部位の工法や納まりの工夫についてお伝えしていく。
初回はバルコニーの手摺り壁の通気についてお伝えする。
取材・構成:大菅 力 協力:ハウゼコ

手摺り壁の詳細

手摺り壁の詳細
バルコニーにおける通気の問題点は、天端の笠木で通気が遮られるために、通気が不完全になりがちなところだ。
また、漏水のリスクを下げようとして、シーリングなどで通気層を塞いでしまうこともある。
通気層を塞ぐことで漏水のリスクは下がるが、壁内結露のリスクが高まる。実際、結露が原因の事故事例も少なくない。
この問題を解決するためには、まず笠木下換気部材を用いることだ。
ここではハウゼコの「アンタレストミニ」を用いた。多数の孔をもつ樹脂製のパーツをガルバリウム鋼板で包んだ製品だ。
散水実験により、通気を保ちながらも、浸水しづらいことが確認された換気部材だ。
加えて、腰壁換気部材「アンタレスベント」も採用した。これもハウゼコの製品だ。
この部材により、手摺り壁内部の蒸気(水蒸気)は、前述した笠木下換気部材から排出される。
細かい点で言えば、笠木下に2次防水として幅広の防水テープを用いたり、笠木や笠木下換気部材の取り付け時などに、天端に穴を開けないことなども重要だ。
こうした細かい配慮により、防水や結露を避け、長持ちするバルコニーを実現できる。

施工のポイント①

腰壁換気部材を取り付ける準備

バルコニーの手摺り壁上部に通気用の腰壁換気部材を取り付ける
腰壁換気部材を取り付ける位置の透湿防水シートを取り除く
腰壁換気部材を取り付ける位置を下地合板に墨出しして丸鋸で切断して撤去する
手摺り壁の詳細

施工のポイント②

腰壁換気部材を取り付ける

腰壁換気部材はベース材とカバー材の2つのパーツで構成されている
最初にベース材を手摺り壁の柱に対して固定し、その上からカバー材を取り付ける
腰壁換気部材の上下の透湿防水シートは両面ブチルテープで固定する
手摺り壁の詳細

施工のポイント③

笠木下換気部材の設置

手摺り壁天端の外壁側と内壁側の双方に笠木下換気部材を取り付け、通気を確保
笠木下換気部材は内外壁の側面に取り付けて、手摺り壁天端に穴を開けないようにする
笠木下換気部材取り付け後に広幅のブチルテープを貼って2次防水とする
手摺り壁の詳細

施工のポイント④

手摺り壁開口部の処理

手摺り壁を覆っている透湿防止シートを切り抜いて、開口部に巻き付ける
開口部の左右は外壁側の透湿防水シートを内壁側に折り込んで防水テープで固定する
開口部の下端は内壁側の透湿防水シートを外壁側に折り込んで広幅の防水テープで覆う
手摺り壁の詳細

施工のポイント⑤

片ハットジョイナー・水切りの施工

笠木下換気部材の直下に木下地を取り付けて、そこに片ハットジョイナーを取り付ける
木下地はサイディングの下地を兼ねるので、この時点で割り付けの検討を終えておく
手摺り壁の内壁側下端に水切りを設置する。水切りは下地合板に固定する
手摺り壁の詳細

施工のポイント⑥

外壁側水切りの施工

外壁下端に水切りを設置する。まず出隅の位置を決めてそこから各辺に伸ばしていく
水切りの上下に両面ブチルテープを貼って、透湿防水シートを固定する
水切り上部に通気スペーサーを取り付け、通気層の厚み確保と虫の侵入を防止する
手摺り壁の詳細

施工のポイント⑦

サイディングの施工

出隅のサイディング役物とハットジョイナーの位置を同時に決めていく
出隅が決まったらそこから真物を中心に幅方向に貼っていく
1列貼り終わったら高さ方向に貼っていく。手摺り壁の開口部廻りの納まりに注意する
手摺り壁の詳細